日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

ルソーやホッブズの社会契約説とベンサムの功利主義:社会を運営するための2つの考え方/理論 ~生理的とも思える功利主義の意味とみんなのためにひとりひとりの個人が自分をゆだねる社会という全体

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前回のお話

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社会契約と功利主義 〜社会を運営するための2つの考え方/理論

ルソーの社会契約論はみなの意見をまとめることによって社会を運営していこう、という考え方かと思います。しかしこれとは違う考え方もありますね。どんな考え方といいますと、かの有名な功利主義というものです。つまり人間には自分の利益がありそれを積み重ねたような、いわゆる最大多数の最大幸福というものを理想的なものとして設定するわけですね。

 

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ベンサムの生理的と思える功利主義

これは一見正しいように思えますが、そんなことしたら自分の利益だけを押し通して弱肉強食になっちゃうんじゃないかと心配もしてしまいますが、これを言ったベンサムの本を読むとよくわからないなりにちょっと面白いようにも読めます。というのもベンサム先生が考えて設定している人間というものは、どうも肉体的な存在をまず想定しているような気がしたからです(違ったらごめんね。どこかで詳しい人の本読んでくださいね)。

 

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そもそも社会をどうやって運営していくか、と考えようとしますと、その全体となる個々人の人間をどうやって考えるかということが問題になってくるのかもしれません。たとえばホッブズとルソーはそれぞれ原始の人間の姿を想定し自然状態を設定しましたが、ホッブズは万人の万人による戦い、と捉え、ルソーは個別に充足した状態、と考えました。真逆ですね。でもこれはどちらも人間同士の関係を設定しているようにも思えます。それに比べるとベンサムは食べて寝てうんこするような、そんな人間を前提にしているように私には思えました(くどいけど間違ってたらごめんなさい)。

 

社会の中心の措定 〜個人か個人を越えるものか

そのためベンサム功利主義は生理的に快適に過ごせるようなものを私は思い浮かべたりもするのですが、一応個人を中心においているかと思います。それに比べるとルソーは個人を越えたものを社会の基礎に据えているような気がします。これはどちらが適切なのか私にはわかりません。個人を圧殺して社会の言うこと聞かせればファシズムになりかねませんし、個人ばかり好き勝手させていれば弱肉強食で秩序が失われるかもしれません。まあどちらか一方だけで染め上げてしまうことこそ間違いで、ポイントポイントで使い分けていく方が適切なのかもしれませんけど、その力点が今うまくいっているのかもわかりませんね(でも個人を越えたところに社会を見るのはデュルケームとも似ている気がしますね)。

 

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経済学と功利主義 〜神の見えざる手と個人の自由

そして功利主義を一応個人の自由を認めてそれが全体の奉仕につながると考えているとすれば、実は経済学の最初の考えとも結びついてくるように思えてきます。というのもアダム・スミスには有名な神の見えざる手というものがあり、市場は放っておいてもうまく回る(だから個々人が自由勝手に売り買いするのが1番よく経済も回る)という考え方があるからです。ちょっと似ているような気がしてきますね。

 

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アダム・スミスベンサムもイギリス人で結構近い時代の人でしたから、見ている社会の姿がほぼ同じで考え方に似てくるものがあるのかもしれませんね。この延長上にもしかしたら今の実力主義(自己責任論)が現れているのかもしれませんけれど、それはもうちょっと複雑な関係がありそうな気もします。

 

次回のお話

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気になったら読んで欲しい本

『世界の名著 ベンサム/J.S.ミル』 

ベンサムの本で読めるのはこれくらいしかないんじゃないかと思います。でも完訳ではなくて前半だったか後半だったかを省いていたはずです。戦前に一応完訳されたものがあるそうで私はたまたま古本市で見つけて読めましたが、多分簡単には見つからないと思います。残念ながらAmazonでも出てこない様子です。というわけで簡単に手に入る世界の名著版で我慢してください。ただ読んでも私にはよくわかりませんでした。

土屋恵一郎『怪物ベンサム』 

で、一応手に入りやすそうな解説書を載せておきます。ですが私は読んでいません。そのためなにも書けません。とほほ…

 

ルソー『社会契約論』  

ルソーの本です。社会契約について1番読まれる本かと思います。今読んでも重要な問題が書いてあるような気がしますね。

ホッブズリヴァイアサン』 

ホッブズの本。まだ刊行途中なのかな。Amazonレビューを読むと抄訳のようにも見えますが、ちょっとよくわかりませんね。岩波文庫は完訳のはずですがしょっちゅう品切れなので光文社で揃えてみました。

ホッブズの考え方によると人間は放っておくと好き勝手にして相手を食い殺しかねないから、それを止めるためにもより大きな力で押さえつけておく必要がある、それが国家であり、国家はそのため強力な力(暴力を含む)を有し危険であるが必要悪として認めなければならない、とでも言えるでしょうか(正確じゃないかも…)。その力を聖書に出てくる怪物であるリヴァイアサンとして国家になぞらえたそうです。ちなみにリヴァイアサンファイナルファンタジーに出てくる召喚獣と一緒です。元ネタは聖書なんですね。

 

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お話その131(No.0131)