日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

資本主義の問題点をわかりやすく言えば、そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるってこと? ~マルクスが何故アダム・スミスの労働価値説を批判したかといえば、労働力はそのまま賃金が支払われるわけではなく差額こそが資本家の儲けになるかららしい【マルクス『資本論』】

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資本主義の問題点 〜そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるって?

資本主義の成立条件を色々と見てみましたが、前回少しだけマルクスの名前を出してしまいましたし、マルクスがどんな風にして資本主義の問題点をあげていったのか、ちょっとだけ見てみましょうか。マルクスなんて膨大でとてもじゃありませんが手に負えないのでまともに説明出来ませんが、まぁ、関係のあるところをちょこっとだけ試してみましょう。

 

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マルクスと労働力

マルクスが資本主義の問題と考えた点は、おそらく労働力にあるのだろうな、と一応思います。というのもマルクスによれば資本主義とは労働力によって売買することが可能な経済システムだからです(多分。でもマルクスは資本主義って言葉使ってないそうです)。

 

資本主義がなぜ利益を得るのか、と言いますと、100円で買ったものを120円で売るからですね。でも、なぜ100円のものが120円に化けてしまうのでしょうか。それは買うときと売るときとの間に労働力が介在しているからだと言います。

 

たとえば100円で買ったものを120円で売るまでの間にも誰かが働いていますね。その働いた分(労働力)が20円分だとすれば、売り主は儲かりません。100円+20円=120円ですから利益は0です。関係としては購入額+労働力=販売額となりますので、これがすべて帳尻があっているとなると1円も得をしないことになってしまいます。これでは資本家は儲かりませんね。

 

商品から労働力の差額が儲けとなる

では実際はどうなのか、と言いますと、マルクスは100円+20円(10円+10円)=120円という関係になっていて、実際の労働力の値段は20円なんだけど、賃金としては10円しか払っていないから、10円分儲けるのだ、と言います。つまり商品を売買している関係の中でそもそも正当な賃金分を資本家はピンハネしている、というわけですね。ですから資本家は商品の売買において労働力を介在して利益を得るのだ、ということになるのだそうです(間違ってたらごめんなさい)。

 

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で、そういうことはいつでもあるんだけど、この仕組みを利用して儲けようとしますと、労働者からの搾取が成立するようになるんだそうです。

 

どうもこのカラクリは当時謎であったようで、革命家や共産主義者としてどうも歴史的には花マルをあげ難いように思えても、経済学者としてマルクスは不朽の業績をあげたことは事実のようです。

 

物の価格と労働力

ちなみにそもそも物の価格の中に労働力を認めたのはアダム・スミスのようです。アダム・スミスは物の値段はその商品にかけられた労働力によって決められるという考え方をしました(多分。あんまり覚えていません)。一本の針を作るのにそれに要した労働力よりも安く売っては生活は成り立たない、だから物の価格はそのかけられた労働力以上でなければならない、というわけだそうです(その後限界効用説というのが出てきて、それだけじゃないんだよ、と変わったそうです)。そりゃ確かに食べてけないくらいに安く売ってしまっては、その人飢えて死んでしまいますからね。その点では納得のいく話な気もします(でもなんとなく職人時代の考え方が尾を引いてる気もしますけど、どうなのかな)。

 

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そのためマルクスの考えはいきなり出てきたものではなく、ちゃんと先行する古典派経済学の延長としてありえる考え方のようですね。

 

とりあえず資本家は本来払わなければならないだけの賃金を労働者には払っておらず、自らの利益としているので労働者を搾取している、という批判になるかと思います。とりあえず今回はこの一個をあげておくことでおしまいにしましょう。なんかマルクスの話すると反発されそうでこわいなぁ〜。

 

気になったら読んで欲しい本

【マルクス『経済学批判』『資本論』】 

労働力の問題はまずこの本に書いてあったかな。とりあえず一冊なので読んで読めないことはない、と思えないこともないかもしれません。内容はうまく説明出来る自信はありませんので割愛させていただきます。とほほ。 

で、マルクスといえば『資本論』 ただし劇的に長い! 岩波文庫で9冊もある!  カントでも3分冊なのにぃ〜。

『資本論』は原本では三巻本なのですが、岩波文庫だと1〜3巻が最初の一冊分になります。そしてここにも労働力の問題が書かれていたかと思います。この第1巻分を読んだだけでも『資本論』の重要なエッセンスに触れることが出来るかもしれませんね。柄谷行人は、普通『資本論』は第1巻しか読まれない、と述べていましたから、これだけ読んだっていいんじゃないでしょうか。柄谷行人は他の偉い人に向かって、全部ちゃんと読んでない、と批判しているわけですが、私たちはそんな水準で読まなくたっていいですからね。

もともと『資本論』は『経済学批判』の延長で生まれた本なので、『経済学批判』と同じ問題も最初扱っています。それが労働力の問題だったと思うので、両方読んでおくと同じ問題を2度説明してくれるので理解しやすいかもしれません。

 

【アダム・スミス『国富論』】 

で、『国富論』 労働力の扱い方を比べて読んでみると面白いかもしれませんね。

 

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お話その111(No.0111)