日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

消費喚起のために最も有効な象徴作用としての性的イメージ 〜広告=経済界とCMタレント=芸能界の蜜月関係の意味とは

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消費喚起のための性的イメージ 〜広告と芸能界の蜜月関係

商品の性的イメージ

商品が商品として、つまりその物自体の品質を判断して買われるのではなく、広告によって生み出された付随するイメージによって買われるとしたら、そのイメージはどのようなものでしょうか。

 

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もっとも多用されるのは性的なイメージだといいます。

 

性的なイメージが多用される理由としては、それがもっとも欲望を喚起しやすいからかもしれません。直接的な性的イメージを表現する媒体はポルノになりますが、そのまま広告に使うわけにはいきません。しかしビールのポスターは健康的でスタイルのいい女性を起用しますし、衣装は水着です。それはビールをただの酒類の飲料としてだけではなく、飲み物であるから乾き=暑さ=夏をイメージさせ、さらに女性のイメージと結びつけることによってビールのもっとも多い飲用者である男性に欲望も換気させようとします。この2つがイメージとして混ざり合うことによって、ビールを飲みたいと思ってもらうわけですね(もっと言うとビール飲んでもビール腹になることを忘れさせるイメージもあるかもしれません)。

 

イメージ対象の新陳代謝

もちろんそんなもの簡単ではありません。特に商品があふれることによって消費経済に変わってしまいますと、同じように広告もあふれてしまいます。そのためこんなイメージ操作だけでは消費者は騙されてくれないわけです。ですから女性像はもっとも購買層を刺激してくれるモデルへとひっきりなしに交換しなければなりませんし、目新しい演出も考案しなければなりません。いわば消費者は広告にも飽きてしまっているわけです。

 

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ここから芸能人が消費社会において絶対不可欠の存在であることが少しわかってきそうですね。つまり、広告の絶え間ない新たなイメージ像として、常に消費者の注意を喚起してくれるタレントが必要なわけです。そしてそのタレント自身のイメージを形作るためにも映画やドラマが必要であり、また同時に広告からイメージが作られていくということにもなるのではないでしょうか。

 

芸能界と広告の蜜月関係

こう考えますと芸能界は表現の場であると同時に広告の場でもあるのかもしれませんね。そして視聴率とは異なる分野で企業は芸能界に広告費を投下しなければならず、視聴率を稼ぐ番組・タレントと、広告イメージとなるモデル・女優/俳優とそれぞれに大金が投じられることになります。

 

で、そのイメージを固定化させておくためには、素を見せてしまうバラエティにはあまり出してはいけないわけですね。あれはコミュニケーションの達人である芸人やそれに類する能力を持った、つまりセルフイメージを構築することが可能なタレントの場になるのでしょう。しかしそれは個人としてのタレントを売ることは出来ても、他の一般的な商品を売るには適していないのかもしれません。元となるタレントのイメージの方が強くなってしまい、広告として適度なイメージを商品に結びつけることが難しくなるのかもしれませんものね。

 

そして大勢に見てもらうための場であった芸能界=TVがネットへと移っていくように、広告イメージとなる芸能人もインフルエンサーとしてネットの中に組み込まれてきたのかもしれません。ここでも企業はネットへと舵取りしていく理由が見えてきそうです。

 

性的イメージとしての象徴

しかし商品の持つ性的イメージは人物だけに限りません。たとえばコカコーラの瓶もまた、女性の身体スタイルを模しているといいます。その瓶を握って飲むということは、男性からすればスタイルのいい女性を所有することであり、女性にとっては自らも同じようなスタイルをイメージさせる、ということになるようです(だったかな。忘れた)。

 

中々穿った見方ですが、どうも社会学や精神分析的には間違っていないようです。というより、そもそも広告や宣伝は社会学や心理学や精神分析の理論を応用して作られている節があります。よく恋愛心理学なんていいますよね。あれと同じように、心理学等を利用して人を惹きつけるわけです。

(ちなみにガセネタとご指摘いただきました。となると私が間違って理解していたのかもしれません。ただ精神分析だとすれば歴史的事実と違っていてもかまわずそう読み解けるかどうかが重要なのかもしれません。悪く言えばこじつけみたいなもんです。でももしかしたらそれも私の記憶違いかもしれませんから、ぜひ下の本をお読みください。確かなことが書いてあるかと思います)

 

イメージの複雑さ

もちろん広告の持つイメージは性的なものだけではありませんし、性的だからといって男性向けに限られるわけではありません。また同じタレントが両性に対してイメージを持つこともあるかと思います。同じ女性タレントでもビールのCMと化粧品のCMでは演出法を変えて出ることも出来るでしょう。また逆に男性支持のイメージ専門であったのが、女性から格好いいと支持されることもあります。つまりイメージは固定的ではなく流動的で、受け手によっても変化していくわけですね。

 

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こうしたイメージから欲望を喚起できるよう広告に内包させて、商品へと結びつけることによって消費へと行動してもらおうとするのでした。

 

気になったら読んで欲しい本

【ユーウェン『欲望と消費』『浪費の政治学』】 

こうした広告や欲望、消費といった問題はこのあたりに書いてあったんじゃないかと思います。読んでてとても面白いです。ただあちこちで似た本読んでてどこにどれが書いてあったかはっきりしません。これらは大体こんなこと書いてあったはずです。

 

【ウィリアムスン『広告の記号論』】 

同じように広告を読むことを実践した本です。性的なイメージはこの本に書いてあったかな。もしくは上の本のどちらかだったと思います。なんにしろ私たちの日常と化している一面を分析してるのでわかりやすくて面白いんですよね。

【バーネイズ『プロパガンダ』】 

で、心理学を広告に応用したのではないか、と思われる本。私は読んでいないのですが、一応ぺらぺらとめくってみたことがあり、著者がフロイトの甥らしくはっきりとフロイトや他の理論家の方法を応用した、と本の解説かなにかに書いてありました。それがどんなもんかは読んでないので判断できません。興味あれば読んでみてください。

 

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お話その117(No.0117)