日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

相手を慮る他者性の欠如から生じる様々な問題 〜セクハラ/パワハラや虐待に忖度と命令もみ〜んな他者性の喪失だ!?

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他者性から生じる様々な問題

自分の規則をどこにでも当てはめようとして生じる問題

セクハラの場合を通して、他者性の喪失を考えてみました。ある意味、自分たちの規則をどこにでも当てはめようとしていることが問題の原因といえそうでした(もちろん他の理由があってもいいですよ)。その中に相手のことをかまわず発言してみたり、身内ウケするからと対象となる当の本人に揶揄を向けてみたり、身内に向ける態度であるため親愛の印として示したり、ということも含まれる、ととりあえず考えておきましょうか。

 

 

 

どこでも起こる可能性のある規則の一方通行

ですがこんなこと、別にセクハラでなくてもいくらでもあります。それはセクハラが大した問題でないといっているのではありません。そうではなくて、同じように重大な問題がどこにでも起こりえる、ということです。そうした可能性の中に私たちはいるわけです。怖いですね。

 

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これが隠れた世界の中で起これば児童虐待や介護虐待、古くは学生運動の内ゲバやカルト教団の暴行などがあげられそうですし、学校や会社でも小さく起こっていそうです。日常的に似た出来事と接しかねないから、このような問題に敏感になるのかもしれません。

 

日常的にありえる規則の一方通行

しかし隠れているわけでない世界でも起こりそうな気もします。それは上のような明らかな問題としただけでなく、普段接する態度の中でです。

 

たとえば後輩に何か教えようとします。部活でも仕事でもいいでしょう。しかしその時、自分のやり方で教えようとしても相手には理解されないかもしれません。それをごり押しして伝えようとすれば、形の上ではセクハラと同じになります(セクハラS[身内規則C+当てはめるA] と 教えるT[身内規則C+当てはめるA] はS(CA)=T(CA) で( )内は同じとなる)。

 

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しかし、同時に教えてもらう方でも相手の教え方が悪いとみなして拒絶したままであれば、セクハラの場合と形は同じになってしまいます(セクハラS[身内規則C+当てはめるA] と 教わるT[身内規則C+当てはめるA] で S(CA)=T(CA) となる)。つまり教えられること、なにかを伝えるということはお互いの協力関係があってこそ成り立つわけですね。

 

これが上下の関係であればまだいいでしょう。最終的に上の人の言うことを聞いたふりでもしていればその場はおさまるかもしれません。

 

交渉の場にも起こりえる規則の一方通行/対立

しかしたとえ上下があったとしても交渉の場であればそのような態度は許されません。明らかに不平等で損をする約束を取り付けられそうになっている場合、ただ従うわけにはいかないからです。

 

まだこれが自分一人の問題であれば諦めるということも出来るかもしれません。あまり勧められませんが、なんでもかんでも諦めて生きるということも一つの生き方でしょう。なんなら抑圧された社会であれば徳目の一つにすらなるかもしれません。分をわきまえろとか。

 

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けれども集団の交渉では困ります。たとえばブラック企業に勤めているとします。待遇改善を求めているのに会社側は聞きません。むしろ恫喝と圧力、さらには懐柔までしてきました。これを受け入れては自分は良くても他の社員は困ったままです。この時どうするか、という事は相当に重要な問題のように思います。

 

このまま従って自分だけ除外してもらい一人得をすることも出来ます。ただし仲間を捨てます。しかしこの場合も身内規則を出て外部規則に身を寄せることにもなります。となると身内規則を守る方が正しいようにも感じますね。しかし外部規則だと思っているものが、実は会社側上部の身内規則である可能性もあります。となると身内規則が対立していることになります。

 

個人と集団の規則の複雑な絡み合い

こうして考えていくと、交渉は互いの身内規則の対立をどう解消していくか、ということになりそうです。また対立の問題が出てきました。でもまだ早いので放っておきましょうね。

 

それはともかく、自分だけ得をして上の言うことを聞くのは先年話題になった忖度そのものではないでしょうか。しかし恫喝と懐柔の中、逆らうことが出来ないなんてこともよくあることです。かといってそのまま従えば、今度は日産のようにゴーンさんの言うことをなんでも聞いてたことによって背任の罪に着せられてしまった部下になってしまいかねません。

 

また逆に捉えれば、従わせる側は他者性を尊重するとこなく、拒絶したままに自分の規則に従わせようとしている、とみなすこともできます。命令はもしかしたら他者性の拒絶の上に成り立っているのかもしれません。

 

どんどん問題が出てきそうな予感がします。あんまり手を広げても収集がつかなくなるだけですから、今回はこれくらいにしておきましょう。やだやだ、全然わかんない。

 

次の日の内容

命令者に与えられた規則に従うことの問題の困難 〜戦争の中で業務を遂行すること(付:アーレント『エルサレムのアイヒマン』/フランクル『夜と霧』) - 日々是〆〆吟味

前の日の内容

セクハラ発言の問題と同性同士の閉じたコミュニティ/コミュニケーション 〜他者性の喪失と無自覚な内部規則の押し付け(付:セジウィック『男同士の絆』) - 日々是〆〆吟味

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お話その26(No.0026)