日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

情報を伝播された受け入れる側の信用問題 ~相手を信じることができれば話を聞く

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受け入れる側の信用問題 〜信じられれば聞いてられるさ

 

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受け入れる側の態度の問題

さて、では伝達される側の受け入れる態度とはどのようなものが考えられるでしょう。

 

1.内容を受け入れようとする

1つめは伝達者の伝える内容を受け入れようとする、ということですね。これは相手を拒絶しない、ということですから、伝える側、受け入れる側どちらも共通する問題です。受け入れる側であれば、相手の言うことを聞くまい、という態度を捨てることです。不良が教師の言うことを聞かん、といった学園ドラマにありそうな状況ですね。これでは相手の言うことを聞かなくても当然になってしまいます。

 

2.伝えられる内容に詳しくないと自覚する

2つめに、自分は伝達者の伝えようとする内容を相手よりも詳しくない、と自覚しておくことでしょうか。もし自分の方が詳しいのであれば、確かに聞かなくても良さそうです。なぜなら説明されるよりも自分の知識や認識の方が高度な水準にあると考えられるからですね。この場合、下手に聞くと悪くなってしまうかもしれません。

 

しかしこの態度、もしかしたら1つめとかち合ってしまうかもしれません。たとえば不良の常套句の一つに、学校の勉強がなんの役に立つねん、というものがありますね。それは実社会においては学業というものは無価値で、実社会の経験こそがものを言うのであり、今の時点からバイト等により実社会と接している自分の方が世の中のことをよく知っている、という自負が、相手を拒絶する理由になっているかもしれないからです。

 

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そして、これもまた理屈としては間違っていないかもしれません。教師は学校しか知らず、世間はその外にあるのだから、教師の言うことばかり聞いていては実社会で失敗をする。学歴エリートである官僚が信じられないような失態をしているのを見ると、ちょっと反対する声もあげにくくなるかもしれません。なにせ東大出で経産官僚出身の国会議員が、交渉中の領土問題を戦争で取り返せと言って平気でいるくらいですからね(これを書いて最初に投稿した時には話題だった)。

 

丸山穂高議員の「戦争扇動発言」が、問答無用で許されない理由(佐藤 優) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

 

しかしこの場合も、不良はまだ学生であるため自分の確信していることもまた予測の域を越えることが出来ません。ですから先々のことを知るには自らの経験だけでは足らず、どこかで情報を得なくてはいけないかもしれません。となると教師は信用できなくとも、他の誰かは頼ることもありえます。その相手にはやはり自分より詳しいであろうという仮定のもとに尋ねているので、案外2つめの態度というものは相手さえ選べば誰でもやっていることかもしれません。そこで、

 

3.信用のおける相手から伝達されなければならない

3つめの理由として、受け入れる側は自らの信用のおける相手から伝達されなければならない、ということになってきます。そうした相手には、2つめの態度を保ったまま拒絶せずにすませられるからです。そしてこの3つめの態度が守られれば、必然的に1つめの態度も守られることになります。

 

しかしこれにも問題があります。たとえばトランプ大統領が就任してからよく出てくるようになった言葉にフェイクニュースというものがあります。これは捏造したニュースということですが、困ったことにこれは言う側と受け入れる側によって捏造かどうか変わってしまいます。

 

トランプ大統領が大統領になるためにロシアから支援があった(これも当時話題だった)、というのはトランプ陣営からしたらフェイクニュースです。しかし反トランプ陣営からすれば重大な疑惑で検証しなければならない余地は大ありになります。

 

一方反トランプ陣営にとってトランプ大統領のツイッターはほとんどがフェイクニュースとして捉えられるでしょう。しかしトランプ支持者は他のメディアの流す情報を拒絶し、トランプ大統領自身が流す情報だけを読んで信じるからトランプ大統領こそ真実を語っていることになります。

 

そしてこれはお互いに相手を認めないため歩み寄る余地がありません。つまり、伝達の齟齬の最初の問題である拒絶がここで成立しているわけです。

 

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しかも、この場合互いに相手は絶対的な間違いを犯していると判断しているので、上に書いたような態度は持ちようがありません。ここまでくると対立が常態化し、対立ということ自体を問題として考えなくてはいけなくなります。しかしそれはもっと後に考えていきましょう。って、そこまでいけないかもしれませんけどね。

 

【サーサス『会話分析の手法』】 

 

コミュニケーションにおける信用問題

話が少しずれてしまいました。

ともかく、一応これが受け入れる側の持たなければならない態度だとすれば、受け入れる側にとって最も重要な問題は誰を信用すればいいか、ということになってきそうです。しかしこれもまた別の問題へと広がってきそうですね。話が大きくなってしまっても手に負えなくなってきますから、とりあえずこの問題も置いておきましょう。できれば次は伝える側、受け入れる側で拒絶しない態度を持ったとして、どうやってコミュニケーションが可能となってくるのか、ということを考えてみたいですね。

なんだか自分で書いていてもよくわからなくなってきそうです。

 

次の日の内容

他者という問題 ~同じ規則と異なる規則の間柄の人間関係(付:柄谷行人『探究』) - 日々是〆〆吟味

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伝える側の拒絶の問題 ~伝播する内容をよく理解し固執せず相手を受容する - 日々是〆〆吟味

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お話その23(No.0023)