日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

論理的意味としての言葉の規則 ~コミュニケーション能力を支える言葉の原理

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言葉と規則、そして意味と論理 〜表したいことは順番に、かな?

コミュニケーションと規則

コミュニケーションが成り立ちにくい理由は互いに違う規則を持っているからでした。そうした相手は他者として、同じ事柄でも違う意味として受け取ってしまうのです。その理由は一つの事柄を意味づけるのは文化的背景によるので、違う文化で染まった者同士では同じ事柄でも理解が一致しないからでした。

 

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文化的規則と言葉の規則

こうした文化的規則はそれぞれの人間によって異なってきますから一致しなくても当然といえます。しかし言葉というものは人間であればまず理解しますし、そうした言葉を理解する能力も前提のものとして捉えてしまってもかまわないのではないでしょうか。もちろん病気や怪我で言葉を理解できなくなってしまうこともありますが、その場合致命的な問題とみなされるとも思いますので、やはり言葉を理解する能力は人間にとって重要なものであると考えてもいいように思います。

 

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こうした言葉を理解する能力は、当然言葉を音としてだけ理解するのではなく、その音の組み合わせである言葉の意味を理解することになります。そして組み合わせによって意味が生まれるのだとすれば、組み合わせるということの中にこそ言葉の規則があり、重要な要素であるとも思えてきます。

 

文化的規則より先にあるはずの言葉の規則

さて言葉に規則があるとすれば、それは文化的な規則よりも先にあるはずです。文化的な規則は後天的ですが言葉の規則は先天的です。言い換えれば文化的な規則は生まれてから後に色々と経験して学びとっていったものですが、言葉の規則は人間に元々そなわっているものであり、より根源的と考えられます。

 

もちろん日本語と英語では言葉の規則は違います。もしかしたら言葉も後天的で、周りに日本語を話す人がいるから日本語の規則を学ぶのかもしれません。しかし日本語だけでなく英語でも、またきっと聞いたことのない国や部族の言葉でも規則のない言葉はないのではないでしょうか。規則を抜きにしては言葉は意味を表さず、ただの音の羅列になってしまいます。ですから個々の言葉のシステム、いわば言語体系とでもいえるものは後天的に学んで身につくかもしれませんが、言葉そのものはどの言語体系であっても自分たちの言語体系の中に規則を持っている、とここでは考えておきましょう。

 

音の組み合わせと言葉

こうした言葉の規則に従えば、人間は意味のある内容を言葉にして表現することが出来ます。その内容はまとまった言葉として表されなければならない、ととりあえず考えておきましょうか。あ、とか、う、では意味をなさないわけですね。

 

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また愛、とか、会う、とか音を最小限に組み合わせた言葉もあります。これは単語とでも理解しておけばいいかもしれません。単語の段階でも確かに意味は生じています。「愛」も「会う」もどんな意味か、読んだだけでわかってもらえると思います。なんなら辞書を引いてもらえばそれぞれの言葉の定義が載っていますから、単語は意味を持っていることは間違いありません。けれども単語だけでは細かい内容を伝えるわけにはいきませんね。「愛、愛」とだけ言って相手に思いを告げるより、「俺の人生半分やるから おまえの人生半分くれ!」(『鋼の錬金術』) とエド君の言う方が意味がはっきりしますね。

 

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文章=文法と規則

となると言葉も単語だけでは意味を表すには不十分で、文章とならなければなりません。そしてその際言葉は単語だけでなく文法も必要になり、この二つがそれぞれの言語体系の規則になるのではないかと思います。しかし私は文法についてはちっとも知らないので残念ながら何も書くことが出来ません。

 

 

 

言葉が文章となるとより細かくまとまった内容を表すことが出来ます。そうした文章は一つずつ手順を踏んで表す内容を説明していくことになります。それはA→B→Cというふうに展開していかなければなりません。今こうして私が書いている文章も、最初から順に読んで書いてある内容が理解できるわけです(私の説明が下手でよくわからん、という問題はとりあえず除外しておいてください)。そしてこうした順を追って理解できる文章のあり方を論理と読んでみましょう。

 

すると、文化的規則が不一致である他者であっても、共通せざるを得ない言語的規則を通した論理的な説明によってコミュニケーションは可能となるはずだ、と考えられるのでした。

 

次の日の内容

論理的思考となる言葉の連続的直線性 〜音と単語と文と文章(付:時枝誠記『国語学原論』) - 日々是〆〆吟味

前の日の内容

人間が持つ規則としての言葉と文化〜共有する規則と異なる他者という存在(付:アリストテレス『政治学』) - 日々是〆〆吟味

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 お話その33(No.0033)