日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

世界の本質と表現の方法 〜言葉の表現方法と数学による方法(付:ソシュール『一般言語学講義』/レヴィ=ストロース『野生の思考』/山口昌男『二十世紀の知的冒険』)

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世界と本質的表現 〜世界って、どうやって本質的に捉えればいいんでしょうか

色々な文芸の違い

さて、小説やエッセイ、論述(評論・論文)といった文芸の違いについて考えてきました。どちらかというと内容よりも視点や世界への態度によってわけられそうでしたね。そして小説やエッセイは視点人物(または書き手自身)によって世界を受け取ったままに表現しようとするのに対し、論述は本質的に捉えて表現しようとするものだ、とも考えてみました。

 

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世界を本質的に捉えるには?

この時、世界を本質的に捉えるとはどのようなことを指すのでしょう。

 

言葉によって捉える方法

まず世界を表現するには言葉が必要です。以前に考えた空間に存在し眼に映るものを言葉に置き換えることを思い出してみましょう。

 

https://www.waka-rukana.com/entry/2019/06/25/120058

https://www.waka-rukana.com/entry/2019/06/27/120049

 

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対象を言語化し、言葉にする事によって私たちは考えることが出来るわけですね。しかし言葉と対象となるものの関係は恣意的でした。つまりなんでもよくって結びつけられればそれでいいわけです。

 

数学によって捉える方法

そこで現代ではこうした本質的に世界を捉えるためにもっと有効なものを使っています。それが数学ですね。科学は数式によって表現されますが、数学という記号によって科学は説明されているわけです。

 

数学が言葉とは違った形での記号であることはなんだか理解しやすそうです。むしろ言葉よりも123…といった数や1+3×2みたいな式の方が記号であることがわかりやすい気がしますね。これにxみたいな代数があれば、そこに任意のものを入れるということが恣意的であることとも結びついてきそうです。つまりソシュール先生が言葉について考えた機能が数学にも当てはまりそうな気がしてきます。

 

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まぁ、私は数学について何も知らなくて、多分中学生レベルもないんじゃないかと思いますのでつっこんではなにも言えません。ただ数学と言葉の似た関係を踏まえた面白いお話がありますので紹介させてくださいね。

 

言葉も数学的に捉える

ソシュール先生の言語学から出発したものに記号論がありますが、記号論と分かち難く絡み合った構造主義というものもあります。これがどう同じてどう違うのかを説明するのは、多分とても困難なことではないかと思います。どこかで専門家に聞いてみてください。

 

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あ、ちょうど専門家の手によるオンライン版の入門書なんてのがありました。こりゃ便利ですね。

 

http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/hajimeni/hajimeni3.html

 

まぁ読むのは後にして、とりあえずお話だけでも続けましょう。

 

 

この構造主義の開祖はレヴィ=ストロースという人です。元々は文化人類学で、先日載せた本の山口昌男という人はこの人と一緒に仕事をしていたこともあります。開祖直々の元で学んでいましたので、とんでもない話です。しかし山口昌男もキャラの立っている方でした。自分はレヴィ=ストロースの弟子ではない、協力者だ、と胸を張っていたそうです。山口昌男の面白い話はたくさんあるのですが、今はいいのです。それだけで終わってしまいます。話を元に戻しましょう。

 

と思いましたが、もう1000字を越えていました。あまり長くなってもいけませんね。また明日、ということにして持ち越しにしましょう。

 

参考となる本

【ソシュール『一般言語学講義』】 

すべての出発点、ソシュールの本。ソシュール先生はこれとは全然違う本を一冊書いただけでした。この本はソシュール先生の講義を聞いたお弟子さんたちによる講義ノートから再構成した本だったりします。それが大きな影響を与えるのですから、書きゃあいいってもんではないんですね。わからないもんです。

 

 

 

【レヴィ=ストロース『野生の思考』】 

で、これがレヴィ=ストロースの本。レヴィ=ストロースはたくさん本があります。理由の一つに長生きしたからもあります。なんとレヴィ=ストロース先生、101才まで生きました。第二次大戦中に従軍した経験を持ちながら21世紀まで生きた稀有な人です。それで世界的碩学なんですから、無茶苦茶な人ですね。山口昌男とはまた違った形でキャラがたっております。属性多すぎ、といったところでしょうか。

【山口昌男『二十世紀の知的冒険』】 

で、これが山口昌男の本。対談集なのですが、平気で世界的碩学相手に話をしています。当時日本は後進国兼敗戦国として海外コンプレックスが強かったですから、こう堂々と対談してきた山口昌男の態度にみな驚いたらしい、とどこかで読みました。私はこの本はぺらぺらとめくって読んだくらいだったと思います。なんかすごい人が相手だった気が。レヴィ=ストロースもいたんじゃなかったかな。内容はインタビューみたいなものだったかもしれませんが、臆せず会いに行っただけでもすごい時代です。こうした当時の常識を平気で破って行動してしまうあたりにキャラ立ちの理由があったのでしょうね。実際著作読んでも面白いですし。

 

次の日の内容

https://www.waka-rukana.com/entry/2019/07/02/060013

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エッセイと小説における観点/視点の違いと論述における世界の理解の違い 〜エッセイは私が主人公の小説だ(ちょっとちゃうやろ…)(付:モンテーニュ『エセー』/パスカル『パンセ』) - 日々是〆〆吟味

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 お話その42(No.0042)