前回のお話
https://www.waka-rukana.com/entry/301/2021.02.11
人間の集まりと食べ物の在り処による社会階級の現れ方
マルクスと階級闘争の歴史
マルクスの歴史観は唯物史観と呼ばれ、ヘーゲルの観念論的な歴史哲学に対抗するようなものでもありました。しかしマルクスにはもうひとつ有名な歴史観がありまして、それが階級闘争の歴史というものです。
【マルクス,エンゲルス『共産党宣言』】
(階級闘争について書いてあるのはこの本かなぁ。薄いんで読みやすいです。でもすぐ内容忘れてしまう私なのでした。困った困った)
人々の集まりと食い扶持
これはどういうことかと言いますと、大体どこでも食べ物を作らなくっちゃいけないので生産者=農家が絶対的に必要な人々の集まり(まぁ階級ということにしておきましょう)が求められます。その前には狩猟で食べ物を獲ってくるのですが、獲れ高は不確かだし人々や数が増えれば安定して食べ物を集めなければなりませんから、どうしても生産者=農家が必要になってくるわけです。
でも人々が増えるということは別に計画的でなくても起こってきます。日本でも今では評判の悪い団塊世代や団塊ジュニアというものがありますが、別に増やそうとして増えたわけではありませんね(そんなこと出来れば今でもしてるだろうし。少子化ばかり言われてるから)。そうしたことはなにも現代でなくても古代でもあっただろうと思われます。
足りない食べ物と略奪と戦士
ただ現代と違うのは、その食い扶持を満たすだけの食べ物がその集団にまかなえたかどうか、ということが大きな問題として迫ってきます。そしてまかなうことが出来ない集団は、他の集団から食べ物を得るために戦いに行きます。つまり戦争して略奪するわけです。
こうしたことが繰り返されると、生産者=農家と防衛するための戦士が同じ社会の中で分業体制をとりだすといいます。その方が楽で効率がいいからですね。しかし他集団に対し防衛するための分業体制でしかなかったものが、そのうちお前たちを守ってやるためにもっと利益をよこせ、となり、戦士たちは農家たちに対して同じ社会内で偉さばるようになります。それが王や貴族、軍人として固定階級化され、農家たちはより下の階級になってしまいます。
無生産者による支配階級への転化
こうして生産者である農家が無生産者である王、貴族、軍人を養うという形になって、階級社会が作られてくることになるわけですね。
【オーウェル『動物農場』】
(この本はソ連の共産主義体制を寓話的に批判したものですが、ここでみんなのためといって支配者たちが自分の都合のいいように法律を変えたいく姿は、他のどんな社会でも寓話となりえる根本的問題のような気もします。寓話仕立てにしてあって読みやすくとても面白いのに深く考えさせられるいい本です。中学生くらいから読めるかと思うので、早く読めば読むほど後々考える材料になるでしょうから読めるなら読んでみることをおすすめします)
そしてその次に生産者が農家や職人から資本家に変わっていって、とうとうブルジョワ革命などを行なって封建貴族を倒してしまいました。こうして虐げられていた階級は自分たちを抑圧していた階級に打ち勝っていく、という階級闘争の歴史が現れている事になるのですが、その現代(当時)的状況として労働者こそもっとも虐げられている階級として、新たな階級闘争の主役となり資本家を打倒する共産革命の原動力になる、という、多分大体こんな感じの考え方かと思います。
う〜ん、でもあってるかな。ちょっと自信ないな。
次回のお話
https://www.waka-rukana.com/entry/303/2021.02.15
お話その302(No.0302)