前回のお話
ティコ・ブラーエの研究内容により更新された新しい宇宙観 ~されど未だ抜け出せぬ地球の位置と当時評価された第三の説 - 日々是〆〆吟味
新しい宇宙観とケプラーの偉業
ティコ・ブラーエによって集められた天体データですが、これを通してさらに新しいひとつの見解を生み出すのがティコ・ブラーエの助手でもあったケプラーという人でした。
ケプラーの偉大な一歩
ケプラーはなんでも天文学においてはとても偉い人だそうで、ガリレオやデカルトよりも大きな一歩を進んだのだそうです。というのも他の人たちは新しいといってもコペルニクスの考えをあれこれ解釈している段階にとどまっていたのに対し、ケプラーは間違いなく天体の運動について観測に根差した正しい結果を導き出したからなんだそうです(よく知らないから読んだこともちゃんと説明できてるかわからないけど…)。
ティコ・ブラーエの助手ケプラー
ケプラーは晩年のティコ・ブラーエのもとで助手をしていたそうなのですが、ティコ・ブラーエが亡くなった後はその天文台の責任者になりました(ちなみにティコ・ブラーエが死んだのは、その膨大な天文データが欲しくってケプラーが暗殺したんじゃないか、というゴシップが現代になってから起こり、わざわざ墓掘りまでされて確かめられたそうです。すごい話ですね)。そこで地球と火星の軌道について一生懸命考えたそうです。
【ジョシュア,アン・リー『ケプラー疑惑』】
(この本がそうなのかな。私は別の本の紹介か何かで知ったのでこの本自体は読んでません。でも面白そうですね。なんか現実なのにミステリみたいです)
ケプラーの3法則
中々どうしてわからないままだったのですが、とうとうひとつの啓示を得ました。それはどんなもんかと言いますと、ちょっと私には素養がなくうまく説明出来る自信がないもんですから引用させてもらうことにしましょう。
天文学におけるケプラーの業績は、すでに述べた三つの法則の発見に要約される。
第一に遊星の軌道は、ギリシャ以来考えられているように、円なのではなく楕円であって、太陽はその焦点の一に位置するということ、
第二に、遊星の公転は、これもギリシャ以来そう考えられているような等速運動ではなくて、太陽からの距離によって遅速があり、それは等しい時間に動径が掃く面積が等しくなるような仕方で変ずること、
第三に、遊星の公転周期と太陽からの平均距離との間に、前者の二乗が後者の三乗に比例するという関係があること、である
【野田又夫『ルネサンスの思想家たち』】
(この本の中に引用の文章があります。これはタイトル通りルネサンスの思想家について短く説明されているものですが、かなりバリエーションにとんだ人たちがいます。それがルネサンスの多様性なのかもしれませんが、ティコ・ブラーエやケプラー、ガリレオにコペルニクスという人もいればベーコンやモンテーニュのような哲学者だけでなく、パラケルススやカルダーノのような錬金術や魔術とも関わりありそうな人もいます。なんだか壮観です)
これによって天動説にあったかなりややこしい説明の仕方が必要なくなったのだそうです(詳しくは私にはわからないから、気になったらこの本読んでみてね)。こうしてそれまでの宇宙観から完全に異なる宇宙観へと大きな一歩が進められたわけですね。中世から私たちの生ている世界へと変わっていくようなお話ですね。
【ケプラー『新天文学』『宇宙の神秘』『宇宙の調和』】
(なんとケプラーの翻訳なんてのもちゃんとあるんですね。それも3冊もあります。もうひとつ文庫でもあるんですが、今回は大著を並べてみました。なんか壮観です)
次回のお話
魔女狩りともはや中世ではないと思われる天文学的転換期のケプラーの母親における魔女裁判 - 日々是〆〆吟味
お話その253(No.0253)