日々是〆〆吟味

自分で考えていくための参考となるお話や本の紹介を目指しています。一番悩んだのは10歳過ぎだったので、可能な限りお子さんでもわかるように優しく書いていきたいですね。

思想の違いによるお互いの共通点や相違点と、相手への理解としつこい自己愛型罵倒という態度の差 ~一流の思想は立場が異なる一流も尊重し、自分の都合でしかないものを思想として掲げる者は立場の違うものを認めない

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前回のお話

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思想的立場の違いと理解 〜一流は立場の異なる一流も受け入れる、かな

保守や左翼の共通点と相違点 〜社会批判と歴史的方向性

保守も左翼も現状の社会を批判する点では一致し、その歴史的な方向性が過去が未来かという違いだとすれば、そこまで仲が悪くなるような気がしませんね。立場ややり方は違うけど、案外今の世の中を憂いてどうにかしたいと思っていることは同じなのです。なにもクモやゲジゲジみたいに嫌わなくったっていいような気もしてきます。

 

野村秋介筑紫哲也 〜宮崎哲也の発言から

たとえば宮崎哲也が言っていたと思うのですが、以前長谷川三千子NHK経営委員だった時に右翼を礼賛した文章を書いた、と非難されたが、その右翼である野村秋介は生前筑紫哲也と仲が良く親友だった、そんなことどこかで報道したか、と怒っていたことがありました。

 

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私はよく知りませんが野村秋介新右翼の理論家として大変高名だそうで、計18年の服役中に膨大な書物を読んで自らの理論を構築したのだそうです。とんでもない人ですね。

 

一方筑紫哲也はニュースキャスターとしてこちらも大変有名ですね。左翼としても右派や保守からそれこそクモやゲジゲジのように嫌われていたそうですが、その右翼の超大物といっていい野村秋介とは仲がよかったそうです。お互い尊敬しあっていたといいます。

 

おそらく二人とも相手方の諸々にはとても嫌われていたのではないかと思いますが、しかしその当人同士は尊敬しあっていたわけですね。これが不思議に思えながらもむしろ不思議ではないような気もするのが前回までのお話のつもりなのですが、上に書いたように理想社会の方向性が違うだけで世の中を変えようという根底は共通しているからなのかもしれませんね(でも右翼と左翼だからこれまでの話とは違うかな)。

 

江藤淳吉本隆明 〜意外な対談

また戦後を代表する文芸批評家同士であった江藤淳吉本隆明という人がいます。どちらも戦後の文学史に残る超大物です。江藤淳は保守派の論客で吉本隆明は左派の論客として共に高名でした。この2人が対談するというのでどれだけ意見が対立するのか、と思われたのですが、あにはからんや互いに意気投合してしまったのだそうです。対立する意見を越えて、問題となっている現状認識では一致したのかもしれませんね。

 

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一流同士の理解 〜相違点を踏まえて相手を受け入れる

ここで考えてみたいのは、結局保守(もしくは右翼)だ左翼だといっても、非常に優れた一流同士では、立場の違う相手の考えというものも十分理解し納得のいくものではないのか、ということです。相手を徹底的に気に入らないというのは相手の言うことを聞いてのことではなく、ただ自分の正当性を認めさせたいだけなのかもしれません。そしてそれは二流以下においては自分のことで精一杯で、どうしても自己弁護や自己憐憫から相手を受け入れられないのに対し、一流はたとえ意見の違う相手であっても、一定の水準のもと導き出された結果に対しては適切に評価し相手を認める、ということなのかもしれません(ただ一流同士でも高度な水準で相入れないということはあるかもしれません)。

 

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もしそうだとすると、思想による対立というものは右とか左とかいうものではなく、上と下によるもの、それも下の人たちによって出される怨嗟の声に思想的な装いをしているだけなのかもしれませんね。

 

次回のお話

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気になったら読んで欲しい本

筑紫哲也『若き友人たちへ』 

筑紫哲也野村秋介の本。私は読んでおらず宮崎哲也の発言程度しか知らないので、お二人の関係もよくわかりません。とりあえず最後の著書と思われるものを載せておきます。でも両方読んでみると比較したりどこが共通したりするのか考えてみるのにとてもよさそうですね。

 

吉本隆明 江藤淳 全対話』 

おあつらえむきに吉本隆明江藤淳の対話を集めた本がありました。こりゃありがたいですね。でも私は読んでいません。他でも2人の対談はまだ読んでいませんので、今回のお話はあまり具体性のないお話でしたね。申し訳ありません。気になったら私の書いたことどこが間違ってるのかこれらの本読んで確かめてみてくださいね。

 

あぁ、今回も読んでない本だけしか載せれませんでしたね。ご不満に思われる方もいらっしゃいますでしょうが、これが私の限界としてお許しください。

 

(ブックマークにて、社会を良くするためにやってるのと、嫌いな相手を殴りつけたくてやってるのは全く異なる存在だと思います、と丁寧なコメントをつけていただきました。その通りだと思います。次回はそうしたお話のつもりなので、もしよろしければご覧になってください。一応続きものとして書いているので、一回一回のお話はコマ切れになっています。

またなんらかの実務能力に敬意をもてればなんとかなるのでは、けど思想だけ優れた人をどう考えていいかよくわからない、ともコメントしていただきました。これは結構重要な問題と思うのですが、重要な分ちょっとやそっとでは私には説明出来ませんので、いつか数回に分けて考えられたらいいな、と思っています。難しい問題ですね)

 

次回の内容

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お話その145(No.0145)