数学と科学と世界の本質的理解 〜自然世界は数学によって理解•表現出来る
数学と科学
数学がもっとも使われたのは科学においてです。それはニュートンによって万有引力の法則が発見されたことによって科学の基礎ともなりました。
科学のための数学の開発
しかし数学を科学によって使うことはそんなに簡単なことではなかったようです。というのも、ニュートンが解明したい形に数学を合わせなければならなかったからです。ニュートンが考えていた問題は当然当時最先端のものですから、自分の考えに追いつけるような考えを持っている人などいませんでした。それは他分野の数学でも同じだったようで、そのためにニュートンは自分で新しい数学の分野である微分積分を生み出さなければなりませんでした。
科学初期の真理の証明
この微分積分を用いてニュートンは万有引力の法則を証明したのですが、この時もまた現代とは少し違ったそうです。
現代であればこのような物理学の問題は数式によって表現されるのでしょうが、当時の人々の間ではたとえ学者であってもそのようなことはありえないものでした。そのためニュートンは数学の証明に則って自身の自然哲学(物理学)について本を書きました。しかも当時の人の水準に合わせて理解できる数学を用いて書いたそうです。
そのため現代から読むととてもわかりにくいのだそうです。しかしその証明したものはご存知の通り、アインシュタインが現れるまでは物理学の基礎中の基礎として理論的盤石さを示していたのでした。
まぁ、あまり知らない科学や数学の話はこれくらいにしておきましょう。ボロが出てしまいますからね。
科学の勝利と真理の確信と他分野への応用の野心
このニュートンの偉大な業績にヨーロッパ人は喜色満面でした。古代から続く哲学の復権と継承のもと、自分たちは普遍的なものを掴み取ったと確信したのです。そしてそれが盲信ではないほどに科学の力は絶大でした。それこそヨーロッパを世界的覇権の座にすえさせてくれるほどに絶大だったのです。
となると、当然このような方法を他の分野にも応用しようと思うのでした。そして物理学以外の学問分野でも数学化の波が襲いました。しかもそれは相当に成果をあげ、少なくとも自然世界に対してはほぼ数学化して理解できるようになったのです。
そのため数学を用いることによって世界を本質的に捉えていったり、表現することが出来ると思われていくのでした。これは言葉によって世界を捉えていくこととは異質ですが、しかしその効果は絶大であったために誰も逆らうことはできなくなってしまいました。そしてちょっと数学化ばかりで理解してはまずい面も出てきたのですが、それを乗り越えられてはいないようです。けど、それはまた別のお話。
参考となる本
【世界の名著・ニュートン】
ニュートンの本。私には手が出ないので読んでいません。興味のある方はどうぞ。
しかしこんな科学書の古典まで翻訳されているんですから立派なものですね。普通自然科学では理論だけ教科書にして学んで古典なんて読みません。しかし直接科学の理論を読むのも学ぶところがあるでしょうから、読めるに越したことはないと思います。でも、あまり読まれないのかな。高値がついてますね。
【クライン『数学の文化史』】
で、前回も載せたこの本。私は数学についてはこの本くらいからしか情報を得ていないかもしれません。ですから同じ本しかあげることが出来ないのです。
次の日の内容
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お話その45(No.0045)